「2012年11月」のブログ記事

札幌の税理士ブログ 会社の経費として認められる「交際費」の範囲とは?

私が以前立ち会った税務調査で起きた出来事です。

 

その会社は、グループ会社(A社とB社)でした。

 

実質的に活動していたのはA社であり、B社はさほど活動していない状態でした(が、全くの休眠状態ではなく、微妙に少しだけ活動しておりました)。

 

A社とB社、共に相当な額の交際費を計上しておりました。

そこで調査官は、こう言い放ったのです。
 

「B社の交際費は、一切認められません!」と。
 

私は、

 

は?

 

と不思議に思い、「何でですか?」と聞き返しました。

 

調査官の言い分は、こうです。

 

「B社は事実上ほとんど活動しておりません。そんな会社が交際費を支払う必然性なんて無いでしょう。これらの交際費は、実質的にA社が支払うべきものであり、従ってB社が交際費として計上したものは全てA社に対する立替金として修正申告するよう求めます。」

 

もしそうなれば、B社が計上していた交際費はA社の交際費となるのですが、A社は既に年間の交際費認容額600万円を使い切ってますので、調査官の言い分通りに修正申告してしまうと、ただB社の法人税が増えるだけの結果となってしまいます。

 

さて、この調査官の言い分は、正しいのでしょうか?

それとも間違っているのでしょうか?

 

はい、間違ってます。

 

法人税法における「交際費」とは、租税特別措置法において、次の通り定義されております。

 

租税特別措置法61-4(交際費等の損金不算入)

3 …(略)交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為…(略)…をいう。

 

重要なのは、上記下線部分「事業に関係ある者」です。

つまり、会社が接待交際する相手は、非常に幅広く解釈されるのです。

 

事業に関係ある者、ですから、例えばその会社自身の従業員や役員、得意先、仕入れ先などの既存取引先ばかりでなく、これから取引しようとする新規開拓先、果てはグループ会社の取引先など、その会社とは今現在取引が無くても、これから取引しよう、あるいは「ここで接待しておけばウチの会社にとってイイことあるかも、ウフフ」と妄想できそう、というような薄いレベルの関係であってもOK、ということです。

 

B社は、確かに今現在はほとんど動きのない状態であるかもしれません。

しかし、将来は何がどう転ぶか分かりません。

B社が、将来の事業展開に備えて、自社の判断で接待交際費を支払うのは、B社の独自判断によるものであり、その判断に税務調査官ごときが介入する余地はありません。

 

ですから、上記の調査官の指摘は全く論外でありまして、B社が独自の判断に基づいて支払った交際費はB社の経費である、と正々堂々と主張してよろしいのです。

 

税務調査官の指摘事項は、一見その全てがもっともらしく聞こえますが、結構間違ったことを言ったりすることが多いので、よく注意して下さい。
 

なお、以上は「会社」のケースでありまして、実は「個人事業」のケースだと若干話は異なってきます。

機会があれば近々個人事業の経費についても語ってみたいと思います。

札幌の税理士ブログ 税務調査の最中に修正申告を提出したら、加算税の扱いはどうなる?

面白い判決が出ましたのでご紹介します。

 

過少申告加算税についての判例です。

 

過少申告加算税とは、期限内に一度提出した申告が間違っていた、などの理由で修正申告を提出して税金を追加納付した場合に、その追加納付税額に対して課される罰金のことです。

 

税率は、10~15%です。結構高いですね。

 

ところが、この過少申告加算税は、税務調査で指摘をされる前に自主的に申告納付すれば、かからないことになっております。

例えば、3月決算の会社。通常は2ヶ月後、つまり5月末日までに決算をし、かつ税務署に申告納付します。ところが、後になって、その申告内容が間違っていたことが判明した、追加で税金を納付する必要が生じた、とします。この場合はすみやかに自主申告して納付すれば、過少申告加算税はかかりません(ただし延滞税だけはかかりますが…)。

 

逆に、後々税務調査が入り、その調査で調査官に間違いを指摘されて申告納付した場合には、過少申告加算税がかかります。

 

さて、今回の裁判で争点となったのは、「税務調査の最中に、納税者が申告内容の誤りに気付いて自主申告した場合に加算税はかかるのか?」というものです。

 

簡単にまとめると、こういうことです。

 

税務調査が入りました。

調査官が黙々と調査している最中に、その会社の社員が、ある箇所の間違いに気付きました。

その箇所の誤りは、まだ調査官は気付いておりません。

その社員は、こう考えました。「今のうちに自主的に修正申告しておけば、過少申告加算税はかからないのでは?」と。

 

そしてその通りにしたところ、税務署から「過少申告加算税を支払って下さい」という通知が来たので、怒って裁判をしました。

 

その結果、(これはまだ東京地裁の判決なので、もしかしたら上告されるかもしれませんが)納税者の主張が通り、加算税はかからないことになったのです。

 

しかし、その判決文では、こうも書かれております。

もし調査官が先にその誤りに気付いて指摘した場合には、加算税はかかりますよ、と。



 

・・・



 

間違いは、誰にでもあります。

 

自らの間違いを発見した際には、すぐに修正申告した方が得ですよ、ということです。

そうすれば加算税はかからず、延滞税だけで済みます。

 

逆に、税務調査で指摘された後に修正申告すると、加算税と延滞税の両方を支払わなければなりません。
 

何事も、迅速な対処が大切だ、ということです。

札幌の税理士ブログ 中小企業経営力強化支援法に基づく「経営革新等支援機関」に認定されました

11月5日、札幌第一合同庁舎において、中小企業経営力強化支援法に基づく経営革新等支援機関の第一回認定式が行われました。

 

弊社は、その認定を受けた機関の一つであります。


 

北海道札幌市中央区の税理士日記 ~ 北のサクセス・ストーリー ~-経営革新等支援機関 認定式



認定式には、北洋銀行、北海道銀行など道内の主だった金融機関の代表者を始め、弊社以外にも認定を受けた専門家達(その大部分は、弊社含めTKC会員の税理士事務所)、そして報道機関など多数集まり、北海道財務局および経済産業局それぞれの局長から認定証を手渡されました。


 

北海道札幌市中央区の税理士日記 ~ 北のサクセス・ストーリー ~-経営革新等支援機関 認定証


 

この制度について簡単に説明します。

 

http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/2012/1105nintei.htm

 

「近年、中小企業を巡る経営課題が多様化・複雑化する中、中小企業支援を行う支援事業の担い手の多様化・活性化を図るため、本年8月30日に「中小企業経営力強化支援法」が施行され、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う経営革新等支援機関を認定する制度が創設されました。 認定制度は、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験を有する個人、法人、中小企業支援機関等を、国が経営革新等支援機関として認定することにより、経営分析や事業計画策定に係る中小企業による支援機関に対する相談プロセスの円滑化を図るものです。(上記URLより引用)」


上記の文章では何やらサッパリ分かりませんので補足しますと、

経営者様にとって大きなメリットは、この認定を受けた専門家(その殆どはTKC税理士です)に経営支援を受けると、金融機関から融資を受ける際の信用保証料が一部引き下げられます。

 

と同時に、当然のことながら、その専門家が企業の業績等を随時モニタリングし、適切なアドバイスや決算申告などを行いますので、金融機関等からの信頼を得ることが出来ます。


 

弊社は、

経営革新等支援機関として認定された税理士法人

であり、かつ

TKC全国会バッジ会員

でもあります。

 

今後、経済情勢がますます厳しくなるものと予想されますが、

その情勢下において真にお客様のために高品質な業務を提供できる税理士事務所であるか、そうでないかの判断基準は、上記2点に該当するか否かで分かれることになるでしょう。

札幌の税理士ブログ 法人税申告所得(国税庁発表)から推測する我が国の景気動向

半月ほど前の日経新聞記事から転載します。

 

2011年度内に決算期を迎え、今年7月末までに税務申告した法人のうち、黒字申告の割合25.9%で、過去最低だった前年度を0.7ポイント上回り4年ぶりに上昇したことが16日、国税庁のまとめで分かった。申告所得の総額も37兆2883億円で前年度比1兆1047億円(3.1%)増えた。国税庁は『経済状況が好転した影響』とみている。

同庁は約276万3千法人の実績を調査。…(中略)…過去の赤字分を所得から差し引ける繰越欠損金の控除前の業績をみると、全体の52.2%(同3.2ポイント上昇)の法人が黒字だった。(H24.10.16朝刊より)」

 

分かりにくい箇所もいくつかありますので、少しずつ解説します。

 

まず「黒字申告の割合は25.9%で、過去最低だった前年度を0.7%ポイント上回り4年ぶりに上昇」の部分について。

パッとお読みになって、まず悪い印象を持たれる方はいらっしゃらないでしょう。

黒字申告の割合が25.9%ということは、逆に考えれば赤字申告の割合は74.1%ということです。まだまだ7割以上の法人が赤字だということですので、決して良い状況とは言えない。

しかし、とにもかくにも、ここ最近ずっと黒字申告の割合が減り続けていたのが、今回ようやく増加傾向に転じた、ということです。これが一過性のものなのか、それとも来年以降も増加し続けるのかは少し微妙ですが…。

 

一点だけ補足します。

この数字は、あくまでも「申告所得」が黒字か赤字か、ということです。

どういうことかと言いますと、我が国の法人税というものは、まず決算書の損益計算書に記載される「当期利益」に一定の金額を加減算して申告所得金額を算定します。

つまり、決算上の利益と、申告上の所得は滅多に一致しません。

通常は「利益<所得」であることが多く、「利益>所得」であることは極めて稀です。何故ならば、利益から減算される要因よりも、加算される要因の方が遥かに多いからです。有名なところでは、まず交際費の損金不算入、寄付金の損金不算入、償却費の損金算入限度額、などです。

 

この記事は法人税講座ではありませんのでこの辺にしておきますが、つまるところ「黒字所得が25.9%」ということは、「決算の利益が黒字である法人」の割合は、実はもっと低いものと予想されます。もしかしたら20%を切っているかもしれません。

あまり言いたくはありませんが、中には粉飾して無理やり黒字にしている法人もあるでしょう。そう考えれば、本当に黒字を出している法人は果たしてどれだけ存在するのか・・・。

 

かなり暗い話になってしまいました。

気を持ち直して、ちょっと明るい話題に転じてみましょう。

記事に戻ります。「繰越欠損金の控除前の業績をみると、全体の52.2%(同3.2ポイント上昇)の法人が黒字だった。」、これは一体どういう意味でしょうか。
 

我が国の法人税法は、青色申告法人に限り、過去7年間(税制改正により今後は9年に伸びますが、それはさて置き…)の赤字を繰り越すことができます。つまり例えば、昨年100万円の大赤字を出して、今年は80万円の黒字だったとします。今年の黒字は、昨年繰り越された赤字と相殺することができます。昨年の赤字の方が多額なので、今年の法人税額はゼロ円となります。そして残りの赤字(昨年100万円-今年80万円=20万円)は、更に来年以降も繰り越すことができる、ということです。

 

つまり、先ほどの「黒字法人25.9%」というのは、この昨年以前の赤字を相殺した後の数字だということです。

これが純粋に、今年の申告所得だけで見れば、実に52.2%の法人が黒字だった、ということなのです。

つまりその差額 52,2%-25.9%=26.3% の法人は、今年だけで見ると黒字だったけれども、以前の赤字を相殺して所得ゼロにした、ということです。

言い換えれば、26.3%の法人は「今年だけ黒字の法人」、25.9%の法人は「今年も含めて今までほぼずっと黒字の法人」ということです。

 

いずれにしても、約半数の法人が、少なくとも今年は黒字であった、ということなのです。

「利益<所得」である、という要因を考慮したとしても、まずまずの数字である、と言えましょう。

 

が、あまり楽観できない、というのが今のご時世の悲しいところです。

それになにより、上記統計は全国平均の数値なので、もしこれが道内企業だけの統計にすると、果たしてどうなるのやら。

少なくとも上記よりはもっと悪い数字になるのは間違いないのでしょうが。
 

しかし救いはあります。

こんな時勢の中でも、起業したい、という希望を持つ方は沢山いらっしゃる、と言う事実です。

弊社だけでも毎月10数件以上、起業などの新規相談があります。

これは捨てたもんじゃありません。

北海道経済の灯りは、決して消えておりません。

まだまだ燃え続けるエネルギーを発しております。

この灯りを絶やさずにいきたいものです。

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