「2012年12月」のブログ記事

札幌の税理士ブログ 年末年始休業のお知らせ

早いもので、もう年の瀬です。


 

今年一年間、弊社をご愛顧頂き、本当にありがとうございました。

 


北海道札幌市中央区の税理士日記 ~ 北のサクセス・ストーリー ~-H24忘年会

 

来年は新スタッフが増えて、更に飛躍する一年になります。

引き続き頑張る所存ですので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

年末年始は、

12月29日(土)から1月6日(日)までの8日間、

お休みとさせて頂きます。

 

では皆様、よいお年を。

札幌の税理士ブログ 通達課税とは一体何なのか?

前回の話題にも結構関係する論点です。


前回の事件において、検察側(=大阪国税局側)は、「この男の所得は『一時所得』である。だから外れ馬券は経費として認められない。」と主張しております。

 

この主張の論拠は、一体どこにあるのでしょうか?

当たり馬券で儲けた所得は、本当に一時所得になるのでしょうか?

 

実は、いわゆる「法令」には、そんなことは一切明記されておりません。

ここでいう法令とは、「所得税法」「所得税法施行令」「所得税法施行規則」など、我が国民が守らなければならない決まり事のことです。

 

どの法令を紐解いても、「馬券の収入は一時所得である」なんて書かれておりません。

 

それが書かれているのは、通達です。

 

所得税法基本通達には、確かにこう書かれてます。

 

所得税法基本通達34-1(一時所得の例示)

次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。

(2) 競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等

 

・・・

 

さて、通達とは一体何でしょうか。

 

ウィキペディアより抜粋。

「通達とは、主に行政機関内部において、上級機関が下級機関に対し、指揮監督関係に基づきその機関の所掌事務について示達するため発翰する一般的定めのことをいう。」

 

分かりにくいので、噛み砕いて説明します。

つまり、お役所の偉い人が、下っ端の人に対して「これはこうしなさい」と命令する、というようなイメージです。つまりお役所内部で通用する決まり事であり、我々国民が守らなければならないものでは必ずしもありません。

 

かの事件において、検察側は、恐らくこの通達文に基づいて「一時所得」と主張しているものと思われます。

 

しかし、何度も繰り返しますが、この決まり事はあくまでもお役所内部の決まり事であり、我々納税者を拘束するものではありません。

 

そして更に、同通達の前文にはこのように書かれております。

 

所得税法基本通達 前文より抜粋

・・・この通達の具体的な適用に当たっては、法令の規定の趣旨、制度の背景のみならず条理、社会通念をも勘案しつつ、個々の具体的事案に妥当する処理を図るよう努められたい。

 

つまり、十把一からげに「馬券収入=一時所得」としてはいけませんよ、と。

様々な事象を勘案して、総合的に判断しなさいよ、とこの前文には書かれているのです。

 

要するに、この競馬事件は、そう簡単に「はいアンタは脱税したから国税側の言うとおりに税金払いなさい」で終わらせてはいけないのです。

 

我が国において当たり前のようにはびこっている「通達課税」の意義を根本から見直す、良い機会となるべき事件なのです。

というわけで、私はこの事件に対して非常に関心を持っております。

できることなら、この男の補佐人になりたいぐらいです。

札幌の税理士ブログ 競馬の無申告事件に関する一考察

こんな事件が世間を賑わせております。

 

「外れ馬券『経費に認めて』競馬で儲け1.4億円無申告の男」

競馬で得た所得を申告せず、計約5億7千万円を脱税したとして、大阪地検が所得税法違反罪で、会社員の男を在宅起訴していたことが29日、分かった。大阪地検は、当たり馬券の購入費だけを必要経費と認めたが、弁護側は「外れた馬券の購入費27億4千万円も経費に算入すべきだ」と主張している。

(H24.11.30日経新聞より抜粋)


さて、

競馬で儲けた所得を申告しなかったのはこの男の落ち度であり、無申告として起訴されたのは仕方ありません。

問題となっているのは、「外れ馬券を経費として認めるのか否か」です。

 

恐らくほとんどの方は「認めていいんじゃないの?」と思うのではないでしょうか。

 

では、なぜ国税側はこれを認めようとしないのでしょうか。

国税側は、この競馬所得を、所得税法において定める「一時所得」として課税したいようです。

 

一時所得とは、その名の通り、通常滅多に生じない臨時的な所得のことです。

賞金、保険の満期払戻金などがこれに該当します。

この一時所得から差し引けるのは、その所得を得るために直接要した支出だけです。

つまり、外れ馬券は差し引くことが出来ません。

当たり馬券の賞金と外れ馬券は何らの紐付き関係も認められないからです。

 

しかし、その一方で、一時所得はこのように定義されております。

 

所得税法第34条(一時所得)

一時所得とは、…(中略)…、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。

 

今回の競馬の所得は、複数年に渡って継続的にインターネットで馬券を大量購入し続けたことによるものらしいです。

これが果たして上記条文に掲げる「一時所得」に該当するのかどうか?

がまず問われることになるでしょう。

 

一時所得でなければ、では何の所得になるのか。

おそらく「雑所得」になると思われます。

 

所得税法第35条(雑所得)

雑所得とは、…(中略)…及び一時所得のいずれにも該当しない所得をいう。

 

雑所得から差し引けるのは、「必要経費」です。

必要経費とは、

 

1.売上原価その他当該総収入金額を得るため直接に要した費用の額

2.びその年における販売費、一般管理費

3.これらの所得を生ずべき業務について生じた費用

 

です(所得税法第37条)。

 

外れ馬券は、この必要経費に該当するのでしょうか?

もし該当するとすれば、上記のうち3になるでしょうが、さてどうでしょうか。

 

なぜ私が奥歯にモノが挟まったような言い方で濁してるかといいますと、前回お伝えした通り、いま個人事業の経費の範囲について大論争的な裁判が継続中だからです。

 

この競馬事件も、「個人事業の経費はどこまで認められるのか」という重要な問題について根本から問い直す、注目すべき事件となりましょう。

 

係争中なので私の個人的見解を申し上げるべきかどうか憚られますが、あえて申し上げますと、私は一時所得ではなく雑所得になるのではないかと思います。ただ外れ馬券が必要経費になるのかと問われれば、う~ん。。。。。ここは何とか納税者側に頑張って頂き、雑所得の必要経費として勝訴してもらわないと、今後の個人事業者は必要経費の範囲が狭まって大変なことになるなぁ、というのが正直な感想です。

 

いずれにしてもこの事件は裁判まで行くことになるでしょうから、あとは裁判所の判断を仰ぐしかありません。

札幌の税理士ブログ 個人事業主の経費として認められる「交際費」の範囲とは?

さて、前回の続きです。


会社、つまり法人組織での「交際費」の範囲が結構幅広く解釈できることは前回解説した通りです。これは、「会社(ここではイコール株式会社または合同会社、としておきます)とは、そもそもカネを儲けるためにのみ活動するものである」という前提があるからです。


こーゆーことを言いますと「いやそんなことはない!企業とは社会的理念を達成するために存在するものだ云々(以下略」と反論し始める方が必ずいらっしゃいますが、でも儲からなければそもそも会社は永続できないし、社会貢献できない、という事実に反論することは誰もできないはずです。


で、本論に入ります。


会社形態を取らずに個人事業主として活動してらっしゃる方も多いのですが、そのような個人の方が支出した交際費は、どこまで必要経費として認められるのでしょうか。会社と同様に、幅広く解釈することが可能なのでしょうか?


結論から申し上げますと


「ん~、微妙。でもとりあえず『会社と同様な幅広い解釈』は絶対ムリ!」


です。


何故かといいますと、まず個人というものは、「私人」としての一面と、「仕事人」としての一面を併せ持つ存在です。株式会社のように「儲けることが全て」という存在ではないのです(そんな奴がいたら只のアホです)。


ですから、飲み代であっても、「これは私人としての飲み代なのか?それとも仕事人としての飲み代なのか?」と言う論点が必ず発生するのです。


所得税法第45条(家事関連費等の必要経費不算入等)

居住者が支出し又は納付する次に掲げるものの額は、(中略)、必要経費に算入しない。

1 家事上の経費及びこれに関連する経費


上記条文にて、まず「家事費(プライベートな支出)は経費になりませんよ」と規定しております。

そして更に、


所得税法施行令第96条(家事関連費)

1 家事上の経費に関連する経費の主たる部分が・・・(中略)・・・業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合における当該部分に相当する経費

 
と規定しております。
つまり、「この支出は、私個人の事業を行うために絶対必要なのです。」と明らかに主張できなければ、その支出はプライベート的な支出であると判断されてしまう(つまり経費として認められない)のです。
 
現在争い中の裁判があります。
高裁まで行き、これから最高裁に行くかどうか、という状況にありまして、我々税理士が非常に注目している裁判です。
 
要約しますと、とある弁護士が、弁護士会の会務に要した支出(飲み代など)を経費として確定申告したところ、税務署側が「弁護士会の活動は、あなたの弁護士としての業務に直接関係するものではないからダメです」と否認しました。つまり弁護士会の会務をいくら頑張ったとしても、その人の弁護士事務所の売上が増えるわけではないし、利益に繋がるわけではない。まあ実際その通りです。
 
しかし、この税務署側の言い分が通ってしまうと、個人事業者の経費の範囲はかなり狭まってしまいます。例えば「同業者同士の情報交換会」や「異業種交流会」、「出身大学の同窓会」等に参加するための支出は全てダメ、ということになります。
 
そんなことはないだろう、そういう場に出ることによって人脈を深め、仕事に繋げるのだから、と皆さんお考えになるでしょう。しかし、判例や法解釈が固まってしまうと、有無を言わさず「ダメです!」となってしまうのです。
 
上記裁判は今現在まだ終わってませんので、ここでズバリと結論を出すことはできないのですが、いずれにしても個人事業者の経費の範囲は狭いものである、というニュアンスはご理解いただきたいと思います。
 
じゃあ、どうすればよいのでしょうか?
答えは簡単、会社を作って法人成りすればよいのです。
会社であれば、経費の範囲は飛躍的に広がります。
 
もちろん、会社形態にすることによって逆に面倒になる部分はあります。
それら全てを天秤にかけて、個人事業のままでいくか、それとも法人成りするか、よくよく検討されるとよいでしょう。

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