「2013年5月」のブログ記事

札幌の税理士ブログ 初心者でも分かる就労支援会計入門講座 その18 ~ 就労支援事業にかかる法人税等(4) ~

国から支援費を受ける障害福祉事業は、収益事業(34業種)のうち「医療保健業」に該当します。

 

ところで、この医療保健業には、例外規定があります。

法人税法施行令第5条において、医療保健業は「次に掲げるもの以外のもの」となっており、そこに掲げられている中の一つに「社会福祉法第22条に規定する社会福祉法人が行う医療保健業」とあります。

 

つまり、同じ障害福祉事業であっても、社会福祉法人が行う事業は収益事業に該当しない、つまり法人税がかかりません。

が、他の法人形態、例えばNPO法人、社団・財団法人などは法人税がかかる、ということになっているのです。

 

それはちょっと社会福祉法人を優遇し過ぎじゃないか?

ヘンじゃないか?不当な差別じゃないか?

という意見もあるようですが、ここではノーコメントとしておきます。

現実問題として、法律でそうなっている以上はそうするしかありません。

 

なので、就労支援や児童デイサービスなどを手広く展開しているNPO法人などが、社会福祉法人化して法人税負担を無くそうと目論む、というのは当然のことでありますし、私個人としても心情的に理解できます。

しかし社会福祉法人の設立は、ここでは詳細を省きますが、なかなかハードルが高く大変です。

設立後も所轄庁の定期的な監査などがありますので、結構大変です。

安易に考えず、慎重かつ多面的に検討すべきでしょう。

札幌の税理士ブログ 初心者でも分かる就労支援会計入門講座 その17 ~ 就労支援事業にかかる法人税等(3) ~

就労支援事業所が実施する事業は、

 

措置費を財源とする「福祉事業」

事業そのものの売上高を財源とする「就労支援事業」

 

の二事業に大別されますが、

 

うち福祉事業については、法人税法の収益事業(全34業種)のうち「医療保健業」に該当する、ということを前回説明しました。

 

ではもう一つの「就労支援事業」は、どうなるのでしょうか。

 

これは、その事業の実態に応じて判断されます。

つまり、その事業がパンを製造販売するパン工場であれば「製造業」となりますし、何かモノを販売する小売店であれば「物品販売業」となります。チラシ配りなどを行うのであれば「請負業」、チラシや名刺などを印刷するのであれば「印刷業」ということになります。

上記はいずれも収益事業34業種に含まれます。

 

しかし、その一方で、こういう規定があります。

 

【収益事業に含まれないもの(法人税施行令第5条第2項より抜粋)】

2. 上記事業のうち、その事業に従事する次に掲げる者が従事者総数の半数以上を占め、かつ、その事業がこれらの者の生活の保護に寄与しているもの。

・身体障害者福祉法に規定する身体障害者

・生活保護法の規定により生活扶助を受ける者

・知的障害者

・精神障害者

・年齢六十五歳以上の者

・一定の母子家庭の母、寡婦


どういうことかと言いますと、働く人のうち障害者が半数以上を占める事業については、収益事業に該当しない、ということです。

全ての就労支援事業は、まずこれに該当するでしょう。

つまり、就労支援事業は、法人税等がかからない、という結論になります。

札幌の税理士ブログ 初心者でも分かる就労支援会計入門講座 その16 ~ 就労支援事業にかかる法人税等(2) ~

さて、

 

社会福祉法人やNPO法人、社団・財団法人など、いわゆる公益法人等が行う就労支援事業は、法人税を申告して納める必要があるのでしょうか?

 

まず、法人税法における公益法人等の取り扱いについて説明します。

 

公益法人等は、次に掲げる34業種(「収益事業」といいます)を行う場合に限り、法人税を納めることになっております。

 

【収益事業 34業種】

物品販売業、不動産販売業、金融貸付業、物品貸付業、不動産貸付業、製造業、通信業、運送業、倉庫業、請負業、印刷業、出版業、写真業、席貸業、旅館業、料理店業その他の飲食店業、周旋業、代理業、仲立業、問屋業、鉱業、土石採取業、浴場業、理容業、美容業、興行業、遊技所業、遊覧所業、医療保健業、技芸教授を行う事業、駐車場業、信用保証業、無体財産権の提供等を行う事業、労働者派遣業

 

つまり、この34業種に該当しない事業を行っている場合は、法人税を申告納付する必要がない、ということです。

 

で、就労支援事業が、上記34業種に該当するのか否か、ということになります。

 

ここでおさらいです。

就労支援は、大きく分けて二つの事業部門が存在します。

「福祉事業」と「就労支援事業」です。

 

お忘れの方は、過去記事をご参照願います。

 

初心者でも分かる就労支援会計入門講座 その3 ~ 「就労支援事業」と「福祉事業」 ~


上記二つのうち、まず福祉事業は、上記34業種のうち

 

医療保健業

 

に該当することになります。

 

支援費サービス事業にかかる法人税法上の取り扱いについて

 

ちなみに医療保健業は、社会福祉法人が行うものについては、非課税、つまり上記34業種から除く、という特例が設けられております。

全く同じことをやるにも関わらず、その法人形態によって、税金がかかる、かからない、という違いがあるんです。

 

そんなの不公平だ!

と思う方も多いかもしれませんが、我が国の法律がそうなっておりますので、仕方ありません。

 

続きます。

札幌の税理士ブログ 初心者でも分かる就労支援会計入門講座 その15 ~ 就労支援事業にかかる法人税等(1) ~

「会計」と「税金」は、切っても切り離せない不可分の関係にあります。

 

法人税、都道府県民税、事業税、市町村民税(以後、これらを「法人税等」と言います。)、

そして消費税、源泉所得税、印紙税など。

 

これらの税金のことも併せて考えながら、会計を進めていく必要があります。

 

ところで、就労支援事業は、法人税等がかかるのでしょうか?

 

何となく感覚的に「福祉事業なんだから、税金を課さなくてもいいんじゃないの?」と思ってしまいますよね。

 

まず先に答えを言ってしまうと(答えになってないかもしれませんが)、その事業を行う法人の種類によって違います。

 

問答無用で法人税等がかかってしまうのは、株式会社など、いわゆる営利法人タイプです。

このような法人形態は、そもそも「儲ける」ことを至上命題として存在するのですから(たとえその気がなくても、法律上はそういうことになっております。)、実際やってる事業の内容が公共的なもの、福祉的なものであるかどうかに関わらず、通常の税金は課されることになっております。

 

では、営利法人でない法人はどうなるのでしょうか?

 

その前に、営利法人でない法人、つまり「非営利」について、きちんと定義しておきます。

 

一般的な庶民感覚だと、非営利イコール「福祉関係など、儲けることを目的としない公共的・公益的な事業を行うもの」と思ってしまうでしょう。

しかし、そのような事業を株式会社などの営利法人が行うケースだって有り得るわけです。

 

法律的に正しい意味での非営利とは、「利益の分配を行わない」ということです。

もっと具体的に言いますと、

 

・決算で多額の利益が出ても出資者などに配当しない。

・法人を解散する場合でも、その残余財産を出資者などに分配しない(国などに寄付する)。

 

ということです。

この2点がしっかり守られていることが、すなわち「非営利」ということになります。

ですので、儲けるビジネスをやってもいいんです。

利益分配さえしなければいいんです。

 

このような法人形態の代表的なものとして、社会福祉法人公益社団・財団法人NPO法人などがあります。

これらを税法上の専門用語で公益法人等といいます。

 

次回に続きます。

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