「2014年9月」のブログ記事

札幌の税理士ブログ 就労継続支援事業に関する提言3 ~ 制度自体が内包する矛盾点について 2 ~

矛盾している事項はまだまだ他にもあります。

1.A型事業所において、利用者に毎月支払う賃金は結構多額なコストとなります。生産活動において、これを賄うに足りるだけの収入があれば問題ないのですが、現実はそう簡単にはいきません。生産活動が毎月赤字となってしまう事態は容易に想定できます。その際、支払い賃金の財源は国保連から支給される就労支援費を充当するしかないのですが、それでよいのでしょうか?

2.B型事業所で発生する利用者工賃は上記A型ほど多額にはならないのが通常ですが、それでも赤字になってしまうことが多いのが現実です。商売として一般社会とガチンコ勝負するわけですから、そんな簡単に黒字収支を継続確保できるわけではないのです。社会的弱者である利用者の生活自立を支える制度が、こんな脆弱なものでよいのでしょうか?

3.特に筆者(私)の住む札幌市においては、就労支援事業所の数が乱発状態にあります。率直なところ、提供サービスの品質等においては玉石混合状態といってもよいでしょう。スタートの時点において指定基準を満たせば誰でも開業できますが、例えば経営知識に疎く資金不足状態のまま開業し、その後の資金繰りに支障をきたしている事業所を多く見かけます。指定基準の中に、例えば建設業許可のような財産基準を設けて、乱立状態に一定の歯止めを掛けるようなことはできないのでしょうか。


他にもまだまだあるのですが、このぐらいにしておきます。

まだ制度自体が始まって数年程度ですし、これから徐々に改善されていく予定であるのかもしれませんが、正直スタートの時点において様々な矛盾を内包したまま制度がスタートしてしまった感は否めません。

札幌の税理士ブログ 就労継続支援事業に関する提言2 ~ 制度自体が内包する矛盾点について ~

障害者総合支援法(旧:障害者自立支援法)が施行されて8年経ちます。

正直な私の想いを申し上げると、就労支援の仕組みを知れば知るほど、様々な矛盾点、現実と乖離した点が見られます。立法者(厚労省のキャリア官僚、ということになりましょうが)は恐らく、現場の実態や、想定されるべき様々な問題点を充分に吟味しないまま、付け焼刃な状態で立法し施行されてしまった、ということではなかろうかと思います。

色々挙げていくとキリがないのですが、まず就労支援会計の運用において、実際に運営部門と生産活動部門の経費を按分していく過程で、様々な疑問にぶち当たります。
その最たるものの一つは、設備費の按分です。

作業場の家賃、あるいは償却費、固定資産税等は、どちらに按分されるべきものでしょうか?
この問いに関して、明確な根拠を持って即答できる人はどれだけいらっしゃるでしょうか?

例えば一つの根拠として、厚労省が公表しているQ&Aがあります。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/service/dl/qa34.pdf

しかし私は、このQ&Aを何度読み返しても、上記の論点について明確に回答できる根拠を有することが出来ません。
何度読み返しても、(恐らく厚労省の担当者が現場での説明会等で発言した内容等をまとめているのでしょうが)一体何を書いてるのか(何を言いたいのか)よく理解できないのです。

例えば税務の世界であれば、国税庁が公表する通達なり質疑応答事例なり、あるいは国税庁課長クラスが執筆する逐条解説なり、税務署への個別相談なり、国税側のスタンスを確認できる手段はいくらでもあります。

しかし就労支援会計において、そのように厚労省側のスタンスを確認できる手段は、余りにも乏しいのが現状です。
事業所の実地調査で、調査担当者に疑問をぶつけたところで、「いや私はよく分かりません」と逃げられるのが関の山です。

この中途半端な状況は、一体いつまで続くのでしょうか。
厚労省側の動きを待つよりも、我々職業会計人側が何らかの形で動かなければならないのではないか、と思っています。

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