「2015年5月」のブログ記事

札幌の税理士ブログ 自己資金だけで事業を行っている経営者様へのご提言

先日、ある社長様がはじめて相談に来られました。
「資金繰りがショートしそうだ。いや既にショートしているかもしれない。」というご相談です。
会社は設立4期目で金融機関からの借入はありません。
社長様は、「個人で保有する数千万円の資金を会社に貸付けている。いよいよ個人の資金も底を
突いてきたため、金融機関からの借入を決意した。」とのことです。

新規の融資取引は時間がかかります。
初めて金融機関と融資取引をする場合、日本政策金融公庫、もしくは保証協会の保証付融資を利用するのが一般的です。
いずれの場合も、新しく取引を開始する相手には慎重になりますので、審査に1か月程度の時間を要します。
よって、急場の不足資金を金融機関に頼ることはできません。
当面の不足資金は何とか自力で調達して頂くよう依頼しました。

資金繰りが厳しくなればなるほど借入は難しくなります。
金融機関は原則として前向きな資金しか融資しません。
事業が上手く行っていない状態で、「資金繰りが厳しい。」と言えば言うほど、「早く貸して欲しい。」と言えば言うほど、借入は難しくなります。
今よりも半年前、半年前よりも1年前、1年前よりも創業時の方が、融資を受けやすかった事実をお伝えしました。


いま現在、自己資金だけで事業を行っている社長様にお聞きします。
もし、自己資金が底を突いたらどうしますか。
想像力を最大限に発揮して深く思考してください。

自己資金が底を突いた場合、「他人からお金を借りてまで事業を継続する気は全くない。自己資金が無くなれば事業はきっぱりやめるつもりだ。」とおっしゃる社長様は今のままで問題ありません。
しかし、融資を受ける可能性が少しでもあると考えた社長様は、下記のどちらが適切な行動かを比較検討願います。

1.自己資金が無くなってから融資を申し込みに行ったが、
  融資を受けられなかったため事業継続を断念した。

2.手元資金は十分にあったが、念のため融資を受けて手をつ
  けずに置いていた。事業の立ち上げに苦戦して自己資金が
  無くなった為、融資金を使って事業を継続するか、それと
  も融資金をそのまま返済して事業を辞めるかを検討した。

1の場合、選択肢はありません。
あの時融資を受けていれば良かったと、後悔が残る結果です。

2の場合、金利負担はありますが、いざという時に備えて選択肢を増やせます。
あらゆるリスクを想定して対策を取るならば、2の方が合理的ではないでしょうか。

自己資金だけで事業を行っている社長様、将来的に1%でも融資を受ける可能性があるならば、今必要でなくても、借りられる時に借りておくことを強くお薦めします。

札幌の税理士ブログ リスケは後ろ向きではありません ...リスケを上手に活用して業績の回復を目指しましょう

資金繰り円滑化法が終了した現在でも、リスケジュールに関するご質問を良くお受けします。
ご来所された社長様は一様に、「後ろ向きの話なので相談しにくくて・・・」とおっしゃいますが、リスケジュールは決して後ろ向きではありません。
将来のキャッシュフローを回復させるための前向きな対応策です。
後ろ向きだと考えていると、下記のような過ちを犯してしまいますので気をつけてください。


■ 資金が枯渇する寸前までアクションを起こさない。
数か月後には銀行の口座が空になることが分かっているにも関わらず、(リスケジュールは後ろ向きなので)安易なリスケジュールは避けたいという気持ちでギリギリまで我慢してしまいます。
本当に手元資金が無くなってからリスケをするよりも、ある程度の余裕を持ってリスケをする方が、その後の効果は高くなります。

手元資金に一定の余裕がある段階で金融機関がリスケジュールに応じてくれるのか?
という疑問もあるでしょう。
しかし、手元資金に一切の余裕を持たずに企業経営を行うことなど出来ません。
当然金融機関も理解していますので、一定の資金を保有することは認めてくれます。

当事務所が財務部長を務めている工事業のお客様は、年商3億8,000万円で約2,500万円程度の資金を保有していますが、継続してリスケジュールをお願いしています。
大きな受注を取った時には材料代や外注費の先払いが発生する可能性がありますので、最低でも手元資金が月商の1か月分、3,000万円強になるまではリスケジュールの継続をお願いするつもりです。

■ 無理して返済をしようとする。
(リスケジュールは後ろ向きなので)出来る限り最大限の金額を返済したいと考えます。
仮に毎月100万円の返済をしていた場合、せめて30万円だけでも返済します、といった具合です。
会社にとって、この30万円を返済することに論理的なメリットはありません。
30万円を1年間、360万円の資金を返済に充てるよりも、商品の仕入とか、営業マンの雇用とか、前向きな資金に使う方が、よほど将来の可能性が高まります。
中途半端な金額を返しながらズルズルとリスケジュールを継続するより、返済の全てを一旦止めてしまい、一気に業績回復を狙った方が金融機関にとっても良いと思います。


繰り返しますが、リスケジュールは「返済を一時的に止めることで将来のキャッシュフローが回復する。」という前向きな対応策です。
逆に「返済を一時的に止めても将来のキャッシュフローが回復する見込みはない。」という後ろ向きの話であれば、リスケジュールには応じてもらえません。

当事務所では、リスケジュール後の返済額を0円で経営改善計画を立案し、金融機関にもご理解いただいた実績が多数ございます。
また、当初はリスケジュールの相談で来所されたけれども、借り換えで対応してリスケジュールを回避した事例もございます。
資金面に少しでも不安があれば今すぐご相談ください。
早ければ早い方が良い結果を出せます。

札幌の相続ブログ 売上代金の徴収方法の再考 ...代金の先取りモデルは事業の成長速度を促進します

中小企業の資金調達力は総じて脆弱です。財務の目線から見た克服方法のひとつをご提案します。
目新しい方法ではありませんが、「あぁ知っている。」ということと、「真剣に検討して実行に移す。」ことは全く違います。
想像以上に資金繰りに与えるインパクトは大きいので、是非ご検討ください。


■ 料金徴収方法の見直し
商品やサービスを開発した時、販売代金をいくらにするかを検討すると同時に、代金をどのように徴収するかについても深く検討する必要があります。

一般的には、商品を引き渡した後、役務を提供した後に代金を頂戴します。
法人間の取引の場合、代金を受け取るのは1か月先になることも珍しくありません。
よって殆どの企業は、仕入れ資金や人件費を確保するために、銀行から融資を受けています。
これらの商習慣を当たり前のこととして受け入れるのではなく、少しでも早く代金を頂戴出来る方法がないかを思案してみてはいかがでしょうか。


■ 売上代金の先取りモデル
・喫茶店はコーヒーチケットを販売することで売上代金を事前に
 徴収しています。
・1年分の掲載料を事前に徴収する広告ウェブサイトがあります。
・互助会は「将来の結婚式や葬式費用の積み立て」という形で
 売上代金を事前に徴収しています。

お客様から事前に預かったお金で、コーヒー豆を仕入れたり、ウェブサイトを開発したり、結婚式場や葬儀場を建設することが出来ます。
売れるかどうか分からない商品を仕入れるために銀行から借入をするよりも、お客様に将来の購入をお約束頂いて、代金を事前に預かった方が経営的にも安全です。


■ 事前に購入してくれる理由
事前に購入頂ける理由は、「将来の購入が確実である。」というお客様の強いニーズと値引き等のメリットが必要です。
販売側も、1年後に10,000円を受け取るより、今9,000円を受け取った方が、すぐに新たな商品の仕入れや人員の雇用、設備の購入に回せるため、値引きをしても結果的に多くの利益を手にすることが出来ます。


料金の先取りモデルを導入できれば、資金繰りを大きく改善でき、銀行借入れに頼らず自力でスピーディに事業を成長させることが出来ます。
一方、料金を事前に頂いた以上、事業が途上でとん挫することの無いように、より厳格な財務管理体制を構築する責務を負うことになります。

札幌の税理士ブログ 中小企業経営者の役員報酬について ...必要な役員報酬額を起点にした事業計画

企業経営に関する書籍の中で、中小企業経営者がどれぐらいの役員報酬や退職金を取るべきかという問題に触れているものはほとんどありません。
中小企業の経営を指導する様々な立場の方も、社長の報酬については腫物に触るような扱いです。
銀行員の中には、多額の役員報酬を取ることが、まるで悪い事のように言う方もおられます。

一方、そのような風潮の影響かもしれませんが、多額の役員報酬を得ることに遠慮がちな社長様も少なくありません。
「経営の目的はお金ではない。」
「従業員の給与は安いのに、自分だけがたくさん取る訳にはいかない・・・」
全てにおいて賛成ですが、その結果、ご自身の老後の生活費に苦労するようなことがあってはいけません。

中小企業の社長様は会社の借入に対して個人で保証をしています。
会社の資金繰りが厳しくなれば私財を投げ打って、また知人に頭を下げて資金を工面します。
従業員は会社の借入に個人的な責任は負いませんし、資金繰りが厳しくなれば退職届を持ってきます。
従業員にとって、会社が危なくなれば次の職を探すのは当たり前の行為です。
役員報酬に消極的な社長様は、ご自身が抱えているリスクを低く見積もっているか、会社が厳しい時には、従業員が自分と同じように行動してくれるという甘い期待を持っておられるのかもしれません。

役員報酬に対する消極性の最大の問題は、会社の利益目標も小さくなってしまうことです。
まず、ご自身の経済的なバックボーンを確立することが、より大きな社会的使命を果たすことに繋がりますので、経営理念よりも先に、まずは個人的な目標設定からスタートしてみてはいかがでしょうか。

■ 役員報酬の目標額を設定する。
社長業を引退する時に、「気づいたら個人の口座に潤沢な資金が蓄積されていた。」などということはまれです。
「引退するまでにいくら稼ごう。」という強い意志が必要です。
せっかくリスクを負って社長業をしておられるのですから、周囲の反応を気にせず、大それた金額を設定してみてはいかがでしょうか。
大きな役員報酬を目標にすることで、おのずと事業の収益力を高める必要性に迫られるはずです。
最初の動機が何であれ、ビジネスモデルを大きく進化発展させることは、結果的に経営理念の実現に繋がります。

■ 資金計画を立てる。
目標額を決めたら、次に計画を立てます。
計画を立てる際の重要なポイントは「利益の計画ではなく資金の計画を立てる。」と言うことです。
利益計画は、株主、銀行、従業員などに対する説明資料として作成することが主ですが、利益は会計の数字遊びで実態が見えにくくなることがあります。
ご自身が本当に目標とする経営計画を立てるのであれば、「利益ではなく、お金をいくら手元に残したいか。」という資金計画の方が、中小企業経営には適していると感じます。

当事務所は、大企業向けの教科書的で良識を重んじた経営理論や、銀行の考え方などを理解したうえで、中小企業の社長様が真に取るべき戦略を研究しています。
大企業のような美しい事業計画書ではなく、まずは、個人的な資金計画の作成から始めてみてはいかがでしょうか。

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