「2015年7月」のブログ記事

札幌の税理士ブログ 「借入れは少ない方が良い!」「無借金経営を目指すからお金は借りない!」の非論理性

金融機関対応に対する間違えた常識がまかり通っています。
正確に理解した上での対応をお薦めいたします。

■間違え常識その1:
 『借入れは少ない方が良い』×

◆会社の有する現預金と借入額を比較してみました。
 正味の借入額は、以下のすべて2,000万円です。

A.現預金額   300万円  借入額 2,300万円 
B.現預金額 1,300万円  借入額 3,300万円
C.現預金額 2,300万円  借入額 4,300万円

貴方はどの状況を選択されますか?
※与件が曖昧です。正確に判断することは難しいでしょうが、
 考え方としてご理解ください。

Aは借入額も少なく、現預金も少なくなります。負担する借入金利も少なくなります。
Cは借入額も多く、その分現預金も多くなります。負担する借入金利は増えます。

AからCへは移行できないことがある、この事実を認識すべきです。
CからAへはいつでも移行できます。
自らの意志で返済すればよいからです。
一方、AからCへの移行は、貸し出す金融機関の同意が必要になります。

経営の安全性、資金繰りに苦労しない確率は、AよりCの方が、はるかに高いはずです。
『借りられる時に、借りられるだけ借りましょう。』◎とご提案しているのはこのためです。

◆DとEでは、当然Eの方が良いですね。この意味では、借り
 入れは少ない方が良い、となりますが、このケースの話を上
 記と混同しないでください。
D.現預金額  300万円  借入額 2,300万円
E.現預金額  300万円  借入額     0万円

■間違え常識その2:
 『無借金経営が良い、故に借入れはしない。』×

◆会社の有する現預金と借入額を比較してみました。

F.現預金額   300万円  借入額      0円 
G.現預金額 1,300万円  借入額 1,000万円

冒頭の論理と同じです。
FとGを比較してください。共に実質無借金です。
GはFに比べて、会社を守りきるための余裕資金が多い、ただ、金利負担が多い、ことを意味します。

◆無借金状態で経営できるぐらいのキャッシュリッチな会社を
 作りたい、誰しもが狙う理想の経営です。

手持ち資金を十分持ち合わせていない状況で『無借金経営が良い、故に借入れはしない。』と考えられる社長も少なくありません。

○「将来無借金経営を目指す」
         ⇒「必要な資金は借入で賄い利益を出す」
         ⇒「良い会社を築き上げる」
         ⇒「借り入れに頼らない会社になる」

×「将来無借金経営を目指す」
         ⇒「必要な資金も借入れない」

⇒論理がつながりません。

無借金で経営できる良い会社に仕上げるためには、その過程で資金が必要です。
十分な自己資金がなければ、また、会社を守りきるためには、借入れに頼る以外に方法はありません。
無借金経営を目指すことと、目先の借入れを行うこと、この二つに何ら矛盾はありません。
無借金経営を目指すことと、目先の借入れを起こさないこととは、全く別の話です。

『無借金状態で経営できるぐらいのキャッシュリッチな会社を作るために、今は、その必要な資金と会社を守りきるための資金は借入で賄う。』、これが正しい論理ではないでしょうか。

金融機関対応・借入れに対する考え方は、経営の屋台骨に関わる重要な事柄です。
経営者自身が、その真理を理解した上で対応してください。
非論理的な間違った理解、財務無策で経営危機を招かないようにしてください。

札幌の税理士ブログ 借入のプレッシャーから解放されるための考え方

先日ご相談に来られた社長様との会話です。
「年商1億円で銀行からの借入が4,000万円もある。大きな借入が気になっており、早く完済して身軽になりたい。」とのことでした。

私は、「お気持ちは良く分かります。ただ、完済しようと思うから気が遠くなるのではないでしょうか。」とお答えしました。
社長様は、「借りたものを返すのは普通でしょう。」とびっくりしておられましたが、もちろん、借入を踏み倒すことを推奨している訳ではありません。
無借金経営は相当ハードルの高いゴールだとお伝えしたかっただけです。

そもそも「借入が大きい。」という表現は抽象的です。
何と比較して大きいのかを議論しなくてはいけません。
答えのひとつはキャッシュを稼ぐ力です。
同じ4,000万円の借入でも、年収300万円の人にとっては大きな借入ですが、年収1億円
の人にとっては大きな借入とは言えません。

仮に同社が年間200万円しかキャッシュを稼げなかったら、借入を完済するのに20年かかります。
大きな借入です。
しかし、年間400万円のキャッシュを稼げば、半分の10年で完済出来ます。
800万円なら5年です。
一般的に10年以内に完済できる水準であれば「正常な借入額」と判断されますから、同社の場合、400万円以上のキャッシュを稼いでいれば、借入に対してあまりプレッシャーを感じなくても良いのではないでしょうか。
同社は平均して年間300万円程度のキャッシュを稼いでいましたので、追加で100万円を稼ぐことが目標です。

社長様も、4,000万円を完済するのは難しく感じるが、年間100万円を追加で稼ぐことなら出来そうだとおっしゃっていました。
元々事業家ですから、借入の返済を考えるよりも、キャッシュを稼ぐことを考える方が性に合っているようです。

事業を伸ばしながら借入を減らしていくのは相当困難です。
企業ですから、将来的に後継に譲るにしろ、第三者に売却するにしろ、正常な範囲内の借入は存在していても全く問題はありません。
もちろん無借金は理想ですが、借入をゼロにすることが経営の目的ではないはずです。

借入の額を急に減らすことは出来ませんが、キャッシュを稼ぐ力を伸ばすことで、相対的な借入額は小さくなります。

札幌の税理士ブログ キャッシュリッチな会社の仕組み ...利益だけで手元資金を潤沢にするのは容易ではありません

頑張っているけど儲からない・・・
利益は出ているのにいつも資金繰りが苦しい・・・
何か腑に落ちない・・・

経営を難しくする要因のひとつに、「利益とキャッシュが連動しない。」ことが挙げられます。
いつも資金繰りが苦しい社長様は「儲からないな~」と感じ、手元にキャッシュが残った社長様は「儲かったな~」と感じるかもしれません。
しかし、キャッシュの大小と利益の大小は、多くの場合一致しない点に注意が必要です。


ある関与先様を比較します。

A社:
売上高は360百万円で純利益は1百万円しかありませんが、
現預金30百万円を保有しています。借入もありません。

B社:
売上高は400百万円で5百万円の純利益を上げていますが、
現預金は10百万円しかなく、そのうえ30百万円の借入れが
あります。

A社はB社より利益が少ないにも関わらず、手元キャッシュはB社よりも多く残っています。
また銀行借入れもありません。
なぜこのようなことが起きるのでしょうか。


各社の取引条件を見てみましょう。

A社:売上は末締め翌月末回収、仕入は末締め翌々月5日払い
B社:売上は末締め翌月末回収、仕入は末締め翌月末払い

A社は仕入の支払いを売上の回収より遅らせることで手元にキャッシュを残していました。
A社の買掛金残高は40百万円です。
銀行からの借入れはありませんが、取引先から40百万円を借りていると考えれば腑に落ちるのではないでしょうか。

A社とB社の例は、利益とキャッシュが連動しないことの他に、利益と借入れも連動しないことを意味しています。
「儲からないから借入れが必要になる訳ではない。」ということです。
裏を返せば、「儲かっていても借入れが必要な場合がある。」ことになります。

黒字の場合、取引条件のギャップを埋めるための借入れは比較的安全な借入れです。
単純に取引先への支払いを遅らせるか、銀行から借りるかだけの違いですので、積極的に借入れを活用することをおすすめします。

利益だけで手元キャッシュを潤沢にするのは簡単なことではありません。
キャッシュリッチな会社は借入れを上手に活用して手元資金に余裕を持たせています。

札幌の税理士ブログ セーフティネット保証5号の指定業種が発表されました ...業況が悪化している場合に利用できる制度です

平成27年度第2四半期分(7月から9月まで)、セーフティネット保証5号の指定業種が発表されました。

セーフティネット保証5号とは、業況の悪化している業種を営む中小企業に対して、保証協会の保証限度額の別枠化等を行う制度です。

保証協会の保証は、利用できる保証額に限度額が定められています。
一般保証の限度額は無担保で8,000万円以内ですが、セーフティネット保証は、一般保証とは別枠で8,000万円の保証枠が設けられています。
(あくまでも限度額のことであり、必ず8,000万円の保証が得られるということではありませんのでご注意ください。)

セーフティネット保証には利用要件があります。

・ご自身の運営する事業が指定業種に含まれていること。
・最近3か月の売上高が、前年同期比5%以上減少している
 こと。
※売上の減少については市区町村長の認定が必要です。

通常の融資審査は業績が悪いと通りませんが、本制度は逆に業績が悪くないと利用出来ません。
また通常の金利は、業績が悪くなればなるほど高くなりますが、本制度は低い金利で利用することが出来ます。
業績が悪くなることを歓迎したくはありませんが、仮にそうなった場合は利用したい制度です。

本制度は、4か月毎に発表される指定業種しか利用できません。
また、いつの売上高を昨年と比較するかで利用の可否が変わりますので、タイミングを逃さないよう気を付けてください。

・ご自身の事業が指定業種に該当しているか?
・通期の売上は増加見込みでも、足元の売上が減少していれば
 利用できるのか?
・複数の事業を営んでいる場合はどうなるのか?等

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