「2015年8月」のブログ記事

札幌の税理士ブログ 「財務の役割」について

人間ドックを受けたのに検査結果を全く教えてくれない病院、もしくは、結果数値(意味の分からない数字の羅列)だけを渡して解説をしない病院があったらどうでしょう。
とんでもない病院だと憤慨するはずです。

法人にとって財務諸表は人間ドックの結果数値と同じです。
もし、貴社が決算数値について誰からも解説を受けていないとすれば、前述の状況にあります。せっかく検査を受けたのに結果を聞けていない状況です。

もちろん人間ドックを受けなくても長生きをする人はたくさんいます。
また赤字などの病気は、明らかに自覚症状がありますので、わざわざ解説など必要ないかもしれません。
しかし、自覚症状のない病気を早期発見するためには、財務諸表を精査することが、最も有効な手段です。


財務の役割その1・・・病気を早期発見する

売上が急拡大している企業が、ある日突然資金不足に陥ることがあります。
黒字倒産です。
黒字倒産には自覚症状がありませんが、財務諸表を分析したり、資金繰りを精査したりすることで簡単に発見できます。
財務諸表は貴社の病気を早期発見するための貴重なデータです。
財務諸表を分析し、病気の早期発見につなげることが、財務の役割のひとつです。


財務の役割その2・・・病気を治療する

法人にとって、人間の命に相当するのは資金です。
資金が枯渇した時点で全ての活動は停止されます。
よって、資金が不足すれば注入しなくてはなりません。
資金調達です。
病気にかかった状態で金融機関対応を行うのは容易ではありませんが、専門的な知識と経験があれば解決出来る場合があります。

また、資金調達とあわせて自力で資金を増やすためのリハビリも必要です。
この場合、やみくもに行動するより、売上を上げるべきか、利益率を上げるべきか、固定費を削るべきか、等のメニューに沿って行動した方が効果的です。

資金調達やリハビリ方針の策定により、病気を治すことも財務
の大きな役割です。


財務の役割その3・・・病気を予防し健康に育てる

財務は過去を重視しているという印象が強く、社長様によっては「財務で過去をいくら精査しても意味がない。」とお考えの方もいると思います。
しかし、過去を精査することで、未来をより正確に予測することが出来ます。
財務が本来重視しているのは未来です。

問題が発生してから、慌てて借入に動く社長様を多く見てきましたが、対応が後手に回っていては良い結果は得られません。
重大な問題をひとたび抱えると、長期間苦しむことになります。

そういった事態を避けるため、過去から現在を見守りながら、将来起きる問題を事前に予測し先手を打つことが、財務の最も重要な役割です。

貴社の健康状態を常に見守っているのは誰でしょうか?
もしかすると、誰もいないかもしれません。
本来ならば、会計事務所がその役割を担うべきだと私は考えるのです。

札幌の税理士ブログ パラダイム・シフトとは ...六万二千人のうち、五万人が職を失ったスイスの時計職人

成熟・飽和したマーケットで、成功を手中にするためには、新たな発想やアプローチが必要です。
これを阻害する要因の一つが『既存のパラダイムへの執着』です。
そして、解決するためには、『パラダイム・シフト』が必要です。
『パラダイム・シフト』(=既存のルールと規範からの離脱)について考えてみましょう。


■パラダイムの呪縛…

人や企業は、過去の経験に無意識に縛られてしまうようです。
無意識の思い込みは、自分自身にある種の境界やルール(無意識の自主規制)のタガをはめてしまいます。
これがパラダイムです。

・飲食業とは…であるべきとの思い込み。
・小売業とは…であるべきとの思い込み。
・建設業とは…であるべきとの思い込み。
・税理士とは…であるべきとの思い込み。
・時計とは …であるべきとの思い込み。

このパラダイムこそ、新しい発想を阻害する大きな要因です。
多くの人々は、このパラダイムの中でのみ事業を営みます。
故に突出した成功を収めることができないのではないでしょうか。


■パラダイム・シフトとは…

「古代から現代まで2時間で学ぶ・戦略の教科書」(ダイヤモンド社)の著者である鈴木博毅氏は、その著書の中で、パラダイム・シフトの概念を世界に広めたアメリカの未来学者ジョエル・パーカー氏の著書「パラダイムの魔法」を紹介・引用しながら、以下のように解説しています。

「パラダイムを転換するのは四種のアウトサイダー、
  1.研修を終えたばかりの新人
  2.違う分野から来た経験豊富な人
  3.一匹狼
  4.よろずいじくりまわし屋
である。これら四種のアウトサイダーは、過去のアプローチでは解決できない問題を、新しいアプローチで解いてしまい、結果として業界の成功要因(ルールや規範)をがらりと変えます。
彼らは古いルールを良く知らず、縛られないために新たな突破口を見つけるのです。」

「将来を予見する能力を高めたいと思うなら、トレンドが目にみえて変わってくるまで待ってはいけない。ルールをいじりはじめた人に注意しなければならない。それが、大きな変化の兆候だからである。」


■同著のなかでは、こんな事例が紹介されています。

「『六万二千人のうち、五万人が職を失う』1979年から1981年にスイスで時計をつくっていた職人の話です。世界の時計市場を支配していたスイスが、そのリーダーの座を明け渡した瞬間でした。日本に、です。…シンプルで正確なクォーツ時計の普及で、機械式全盛の時代が終わりを告げたのです。」


■経営者として取り組むべきは…

「パーカーが指摘する戦略とは、将来にうまく対処するためパラダイムの柔軟性を常に最大限高めておくことです。誰かがルールを変えて、新たな成功事例が生まれたとき、そこに意を決して飛び込むことができるようにです。」

あらゆる業界や分野で、パラダイム・シフトが起きています。
または、起きつつあります。
上記の提言を肝に銘じておきましょう。

札幌の税理士ブログ 今の財務無策が、将来に禍根を残します。 ...困っていない今こそ、将来に備えませんか?

【事例1】
運転資金の調達を希望されておられる社長様からの相談です。

3年前に借り入れた運転資金2,000万円(公庫・返済済み1,200万円)は、借り換えを行わずに返済のみ行ってきました。
4年前に借入れた運転資金1,000万円(保証協会保証付融資・返済済み800万円)も、借り換えを行わずに返済のみ行ってきました。

直近決算は赤字です。足元は業績回復基調です。
試算表基準で、事業の回復状況をアカデミックに解説することで、希望金額が調達できました。

過去に借入れた運転資金、2,000万円と1,000万円を、決算終了ごとに巻き直し・借り替えを行っていたら、現在の手元資金はプラス2,000万円程度になっています。
今回の資金繰りに対する心配はそもそもしなくて済んだはずです。

弊社の運転資金借入れに対する対応方針は…
運転資金は原則毎年巻き直し・借り替えを行います。
当初残高に戻します。

数年前からご縁をいただいておれば…タラレバ言葉は使いたくないですが、残念です。
今回は結果オーライでしたが。


【事例2】
2年前からリスケを行っており、リスケ後も毎月60万円(リスケ前の返済金額は毎月120万円です。)の返済を続けておられる社長様からの相談です。

直近の決算、足元の業績は厳しい状況です。
追加の融資は受けられません。

面談では、融資が受けられない理由を詳しく解説いたします。
毎月60万円の返済を、0円に変更するための手続きを行います。
経営改善計画書の策定と、金融機関対応を弊社が主体的に行います。

2年前、リスケを行う時に、返済額を0円にしておけば、現在の手元資金はプラス1,440万円になっています。
現時点の資金繰りは、はるかに楽なはずです。

弊社のリスケ対応方針は…
・経営改善計画書を策定し、金融機関との主体的・積極的な対
 応を行います。
・リスケ時においても、最大限手元に現金を残します。
・リスケ時は、返済額0円を目指します。

2年前からご縁をいただいておれば…タラレバ言葉は使いたくないですが、残念です。


【事例3】
「業績は悪くないのに、新規の融資を断わられた」との社長様からの相談です。

当所の簡易分析においても、融資は実行される条件を概ね満たしています。
ボーダーラインですが…
金融機関に状況を確認すると、融資時の約束が守られていない、との回答です。

「試算表・資金繰り表・金融機関借入残高推移表等」の提出が義務付けられている融資があります。
当社は、1年以上提出を行っていません。

当所が上記資料の最新版を作成して提出し、今後も定期的な提出をお約束して融資の実行に至りました。

弊社の金融機関対応方針は…
・金融機関への継続モニタリング機能を担います。
 経営品質の向上は、当社の与信の向上に直結します。


この様に、金融機関との信頼関係が崩れることで、融資が実行されないケースも少なくありません。
今回は結果オーライでしたが。

過去に策を打っておけば、今困らなかった…このようなケースは少なくありません。
過去の財務無策が、現在の資金繰りに重篤な影響を及ぼすこともあります。
困っていない今こそ、将来に備えませんか?

札幌の税理士ブログ 従業員に好かれる社長は良い社長でしょうか?

貴社の従業員に、貴社の社長をどう思っていますか?
と尋ねたら、どんな回答が返ってくるのでしょうか?

1.私は社長を尊敬しています。(=尊敬される社長)
2.私は社長が怖いです。(=恐れられる社長)
3.私は社長が嫌いです。(=嫌われる社長)
4.私は社長が好きです。(=好かれる社長)

※ここでは、好き≠尊敬と定義します。

従業員に尊敬される社長になりたいものです。
異論はないはずです。

※尊敬されるとは…
「その人の人格をとうといものと認めてうやまわれること。
 その人の行為・業績などがすぐれたものと認められること。」


尊敬されたいがために好かれようとする社長がいます。
この発想は、明らかに間違えです。

従業員に対して、耳触りのよい言葉を多用する社長がいます。
従業員の過ちに対して、寛容すぎる社長がいます。叱咤しません。
従業員と仲良くなりすぎる社長がいます。

この様に優しい社長は、人としては善人であっても、ビジネスを率いるリーダーとしては失格です。
「好かれたい」この発想は捨ててください。


嫌われている社長がいます。

従業員に対して、耳触りの悪い言葉を多用する社長がいます。
従業員の過ちに対して、厳しく対処する社長がいます。
従業員とは距離を取っています。
理不尽なことも多いのでしょう。

仕方ないのではないでしょうか。少なくとも好かれている社長
よりはベターです。
ただし、嫌われるよりは、恐れられる社長になりたいものです。


恐れられる社長がいます。

嫌われ&恐れられない=なめられる社長は最悪です。
嫌われ&恐れられる社長の方が、なめられる社長よりベターです。

貴社がスーパーマンの集合体の組織でないなら、社長として従業員に言うべきことはたくさんあるはずです。
指示しても実行されないことも少なくないでしょう。
この時、社長として厳しく対処しなくてはなりません。
嫌ごとを山のように吐かねばなりません。
嫌われますが、これも社長の仕事です。

好かれようと思っている社長にはこれができません。
なめられていては、従業員は指示に従いません。
尊敬されているか、または、恐れられているか、どちらかの場合のみに指示が通ります。


社長様にご質問します。
貴方はどんな社長像を目指していますか?

「尊敬される社長」を目指しておられることでしょう。当然です。
「尊敬される社長」になるために、好かれたいと思わないでください。
「尊敬される社長」になるためには、嫌われても仕方ない、さらに、恐れられるぐらいが丁度よいと考えてください。

「嫌われ&恐れられても」、そこから理不尽をできるだけ減らすこと、さらには、社長としての実績を積み上げることができれば、尊敬の念に転換していくのでしょう。

大きな成功を収めておられる社長は、従業員から尊敬されています。
小さな成功を収めておられる社長は、従業員から嫌われ、恐れられています。
一方、従業員から好かれている社長は、概ね経営が上手く行っていません。

一つの仮説としてご提言いたします。
ご検討ください。

札幌の税理士ブログ 銀行対応の難しさ ...銀行担当者の言葉に振り回されてはいけません

ある関与先様から、「銀行の担当者から役員報酬が少ないと言われた。社会保険料の負担が大きくなるのであまり上げたくはないが、いくらぐらい上げたら良いのでしょうか。」とのご相談がありました。
現在の役員報酬は月額25万円です。

普通は、「適正な役員報酬額は粗利益の○%程度ですが、社会保険料と所得税の負担が○円増えますので・・・」などと検討するのかもしれません。
私は瞬時に「無理して上げる必要はないですよ。」と回答しました。

銀行担当者は、なぜ役員報酬が少ないことを指摘したのでしょうか。
まさか社長の暮らしぶりを心配して「もっと役員報酬を取りましょうよ。」などとアドバイスしているはずがありません。
「役員報酬が少ないですね。」という質問の真意は、「本当は赤字ではないですか。」ということです。
ご説明します。

当社の役員報酬は300万円です。
決算書上の利益が100万円出ていても、本当に必要な生活費が500万円だとすれば、実質の利益はマイナス100万円となります。
銀行担当者は、役員報酬が少ないことを問題視しているのではなく、実質赤字ではないかと心配しているのです。

当社の場合、同居している奥様と子息も一緒に働いており給与も出していますので、「役員報酬が300万円でも世帯収入は十分にあることを説明してください。」とお伝えしました。
銀行担当者の懸念はこれだけで解決します。

仮に銀行担当者の言葉を額面どおりに受け取っていたら、「適正な役員報酬額」という難題の解決に時間を費やし、意に反して増える社会保険料を受け入れた挙句、「役員報酬の増加により利益は減少」という、銀行担当者の真意とは全く反対の結果になっていたところです。

このような銀行担当者とのミスコミュニケーションは至る所で起きています。
要因は、社長様ご自身だけでなく、社長様が相談している方も含めて、「銀行の考え方を本当に理解している人は少ない。」ということです。

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