「2015年12月」のブログ記事

札幌の税理士ブログ ザ・地方公会計 その11 ~ 行政コスト計算書1 ~

行政コスト計算書とは、一般企業でいうところの損益計算書のうち、特に「費用」に焦点をあてたものです。

納税者たる住民が最も気にするのは「税金の無駄遣いは無いか?」というところだと思いますので、そこをまずしっかりと開示しましょう、ということです。

この計算書は、まず「純経常行政コスト」を算定し、それに臨時的な損益を加減算して「純行政コスト」を算定する、という流れになっております。

純経常行政コストを更に細かくみてみると、「経常費用」と「経常収益」に分かれます。
費用が収益よりも先に表示されるのが独特で面白いところです。

ここでいう経常収益とは、主に手数料収入のことです。
例えば役所の窓口で住民票や印鑑証明を発行してもらうとき、数百円の手数料を支払いますよね。あれのことです。

この手数料収入は、自治体の収支全体としては微々たる金額です。
よって、「行政コストを若干補填するもの」というぐらいの意味合いで考えます。

ですので、まず費用を表示し、その次に費用を補てんする収入を表示し、その差引額を純コストとして表示する、という流れになります。

札幌の税理士ブログ ザ・地方公会計 その10 ~ 貸借対照表4 ~

四つ目の特徴、と言いますか、公務員であれば常識でしょうが、

「基金」
について解説しておきます。

自治体は原則として年度ごとに予算を立てて収入と支出がなされますが、例えばその年によっては、当初の予定よりも税収が少なかったり、不測の天変地異災害などが起ったりもします。
また地方債を発行している場合など、返済財源を確保しておく必要があります。

つまり、その年の収入を全て支出に充ててしまうと、翌年以降のリスクに対応しきれない事態が起きる可能性があります。
そのために基金という制度を設け、不測の事態等に備えておく必要があります。

基金は、大きく分けて三つあります。

1.減債基金
   … 将来の地方債を返済する財源として積み立てるものです。

2.財政調整基金
   … 税収が少なかったり、不足の支出が発生するような場合に備えて
     いざという時の資金繰りを埋めるために積み立てるものです。

3.その他
   … 自治体独自の規定等により積み立てるものです。

基金は通常は現金であり、流動資産の部に計上されますが、他の方法で運用している場合は
固定資産の部に計上されることがあります。

公会計特有の貸借対照表の特徴は、大体こんなところでしょうか。

札幌の税理士ブログ ザ・地方公会計 その9 ~ 貸借対照表3 ~

三つ目の特徴ですが、純資産が大きく二つに分かれております。

「固定資産等形成分」



「余剰分(不足分)」

です。

イメージとしては、

1.税収等から行政コストを差し引いた差額(つまり自治体としての利益)のうち、固定資産等の取得に充当されたもの(または売却等により減少したもの)
2.固定資産等の時価評価が大きく変動したことにより、評価替えしたもの

これらの金額が「固定資産形成分」となり、その残りが「余剰分(不足分)」になります。
自治体の資産は固定資産が中心となりますので、その主な取得財源たる純資産の対応分を明らかにしておこう(=余剰分が多ければ多いほど資金繰り的に健全)という趣旨でしょうか。

なおこれらの金額配分は、「純資産変動計算書」にて行います。

札幌の税理士ブログ ザ・地方公会計 その8 ~ 貸借対照表2 ~

二つ目の特徴ですが、固定資産のうち有形固定資産が「事業用資産」「インフラ資産」「物品」の三つに区分されております。

まず事業用資産の定義については、インフラ資産・物品以外のもの、とされておりますので、残り二つについて解説します。


インフラ資産は、次の要件の一部または全部を満たすものとされております。

1.システムまたはネットワークの一部であること
2.性質が特殊なものであり代替的利用ができないこと
3.移動させることができないこと
4.処分に関し制約を受けること

代表的な例としては、道路や上下水道システム、河川、港、橋、公園、公営住宅等が挙げられます。


物品は、次の要件の全部を満たすものとされております。

1.地方自治法第239条第1項に規定するもの
2.原則として取得価額または見積価格が50万円(美術品は300万円)以上

上記1の条項は、以下の通りです。

地方自治法第239条第1項(物品)
この法律において「物品」とは、普通地方公共団体の所有に属する動産で次の各号に掲げるもの以外のもの及び普通地方公共団体が使用のために保管する動産(略)をいう。 
 一 現金(現金に代えて納付される証券を含む。)
 二 公有財産に属するもの
 三 基金に属するもの

また自治体独自に、物品に計上するもの、しないもの(費用処理するもの)の基準を設けることも可能です。

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