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社長の知恵袋

>社長の知恵袋 >1-5 個人事業から法人成りする際の留意点を教えて下さい。

(1)資産・負債の引き継ぎ

資産・負債の種類により、以下の通り取り扱いが異なります。

@現金預金、債権(売掛金・貸付金など)、債務(買掛金・未払金など)

基本的に帳簿価額で移転することとなりますので、何ら課税関係は生じません。

A棚卸資産

原則的には通常の販売価格にて法人に売却することとなります。実務上は帳簿価額(つまり仕入価格)にて譲渡するケースも考えられますが、その帳簿価格が販売価格の70%相当額未満であるときは「低額譲渡」と認定され、当該70%相当額で譲渡したものとみなされますので注意が必要です。
なお、この棚卸資産の引き継ぎ譲渡は消費税の課税対象取引(棚卸資産が土地などの非課税資産である場合を除く)となりますので、個人事業廃止年分における消費税の確定申告において反映させる必要があります。

B固定資産

原則的には通常の時価にて法人に売却することとなります。実務上は帳簿価額(つまり取得価額)にて譲渡するケースも考えられますが、その帳簿価格が時価の1/2相当額未満であるときは「低額譲渡」と認定され、当該時価で譲渡したものとみなされますので注意が必要です。
なお、この固定資産の引き継ぎ譲渡は消費税の課税対象取引(固定資産が土地などの非課税資産である場合を除く)となりますので、個人事業廃止年分における消費税の確定申告において反映させる必要があります。


(2)未払退職金の引き継ぎ

個人事業時代に勤務していた期間に係る退職金の取り扱いに関しては、以下の方法が考えられます。


@個人事業廃止時に支給する
A個人事業廃止時には支給せず、法人成り後に退職した段階で個人時代を加味した退職金を支給する


原則的な取り扱いは上記@となりましょう。
上記Aについては、本来ならば個人時代に負担すべき退職金相当額は個人時代の経費とすべきものであり、法人に負担させるものではありません。しかし、法人設立後相当期間経過した後に退職する場合には、その個人時代の分も含めて法人の損金に算入することができることとされております。
「相当期間」がどの程度であるかについては明確な規定がありませんので、ケースバイケースで判断すべきでしょう。


(3)貸倒引当金の戻入

個人事業を廃止する年度においては、新たに貸倒引当金を計上することはできません。前年度において繰り入れた貸倒引当金を全額取り崩す必要があります。


(4)個人事業廃止後に発生した経費の取り扱い

事業廃止した年度以後の年度において、その廃止した事業に係る費用が発生した場合は、その費用は廃止年度(その廃止年度において収入が発生していない場合は、収入が発生した直近の年度)又はその前年の費用となります。



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