>社長の知恵袋 >3-7 清算会社の債権者の税務について教えて下さい。
(1)債権者が法人の場合
@貸倒損失
清算会社の財産を整理する場合においては、その保有財産を全て現金化して債務の弁済に充てるのが通常のパターンです。しかし債務の額が保有財産を上回る場合(いわゆる「債務超過」です)、その債務を有する債権者が債権放棄しなければ、最終的に清算結了することは出来ません。もし仮に債権者が債権放棄を拒むときは、その清算手続きは「特別清算」「破産」など法的な強制力を持つ手続きへと移行するしかありません。
債権者が債権放棄に応ずる場合、その放棄に伴う貸倒損失が税務上の損金として容認されるか否かがポイントとなります。もし容認されなければ、それは寄付金として認定され、ほぼ全額が損金不算入となります。
貸倒損失が損金として容認される要件は以下の通りです。
(a)債務者の債務超過状態が相当期間継続し、その債権の弁済を受けられないと認められる場合に
書面で債務免除の通知をした場合。
(b)債務者の資産状況・支払能力等を総合勘案してその債権の全額を回収できないことが
明らかとなった場合(担保物がある場合にはその処分をした後)。
(c)子会社等の整理に伴い債権放棄する場合においては、その放棄をしなければ今後より大きな損失を蒙ることとなることが
明らかである場合。
上記に共通するのは「債務者の経営状況が厳しいかどうか」「債権放棄することに経済的合理性があるかどうか」、つまりは「スジが通っているか」ということです。
くれぐれもご注意して頂きたいのは、「解散した、或いは清算途中である」というだけでは貸倒容認の根拠とはならない、ということです。上記の要件に該当するかどうかをしっかり検討して下さい。
A貸倒引当金
上記の要件に該当するまでには至らなくとも、「将来貸し倒れる可能性が高い」と認められる場合には、貸倒損失の計上に代えて「貸倒引当金」を計上することができます。貸倒損失の仮計上、とイメージして頂ければよろしいでしょう。
具体的には、「債務者の債務超過状態が相当期間継続し業況好転の見通しが無いこと等により、その債権の一部について回収見込みが無い」と認められるときは、その「回収見込みがないと認められる部分」の金額につき貸倒引当金を設定することが出来ます。
(2)債権者が個人の場合
@業務に関連する債権
不動産所得・事業所得又は山林所得を営む個人事業者が、その事業遂行上生じた債権の貸倒損失及び貸倒引当金に関する規定については、上記(1)と同様です。
A業務に関連しない債権
事業に関連しない債権につき債権放棄した場合には、その放棄による損失を所得金額の計算上マイナスすることはできません。
(参考法令)法令96、法基通9-4-1、同9-6-1、同9-6-2
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